つまり、声のもとは「息」なのですが、腹式呼吸によって得られる「支えられた息」でなければ理想的な発声は出来ません。

腹式呼吸とは……

お腹で息をするイメージですよね？でも吸った息は肺に入ります。

息は、胃や腸には入りません。もし入ったらガスとしてお尻から出るだけです（笑）

肺はそれ自体は袋で筋肉ではないので色んな形に変化します。

例えば、ラジオ体操の最後のように大きく両手を広げて息を吸うと、あばら骨が横に広がり肺も横に広がった状態になります。

これは「胸式呼吸」です。イメージとしては、胸で息をする感じです。この胸に吸った息はあまり長く吐くことは出来ません。つまり歌には適さない呼吸です。

ここでお話しなければならないのが「横隔膜」についてです。

肺と胃腸を分けている大きな膜があり、これを「横隔膜」と言います。みぞおち辺りに水平（こうもり傘を開いたような形）にある膜です。

胸式呼吸の場合、この横隔膜は上に上がった状態になります。肺を押し上げた状態になっているのです。

腹式呼吸とは、この横隔膜を下に下げ、あばら骨を広げず、肺を縦型にし呼吸することなのです。

ですから「腹式呼吸」は別名「横隔膜呼吸」ともよばれます。

腹式呼吸の練習

女性の場合、日常生活のなかでは殆ど「胸式呼吸」をしていると言われています。

でもそれは生理的なものなので、無意識のうちに行われているわけです。

この無意識の呼吸を意識的に捉えようとすると案外難しいものです。

そこで、腹式呼吸の練習は最初、床に寝てやってみることをお勧めします。

女性でも眠っている時は、腹式呼吸をしています。ただし、生理的な

腹式呼吸なのでそれを意識的に行う練習をするわけです。

（＾ｖ＾）さあ　それでは練習してみましょう！

１、あおむけに寝ましょう。ゆっくりリラックスして目を閉じてください。

２、両手をおなかに軽く当てて押しながら、口から「フー」っと息を吐いて下さい。

３、吐ききったら口から息を吸ってお腹を膨らませてみましょう。
　　　おなかの手を押し上げるカンジで。
　　　うまくお腹が膨らまない時は、胸に吸っているからです。
　　　そんな時は、もう一度　２からやり直して下さい。

※　２、３、をくりかえしましょう。
　　｛ポイント｝　必ず息を吐くことから始めること。
　　　　　　　　　 手で押してお腹をへこませながら吐き、お腹を膨ら
　　　　　　　　　　ませながら吸う。